不妊治療に3年使った元社畜の記録

たぶん150万円は飛んだよね、アハハ

6回目の人工授精も撃沈。転院決定でホロリ

 

フーナーテストをやらなかった理由

 

生理不順の治療、タイミング法、人工受精と経て、

気付けば1年半が経過していた私。

これまで具体的な検査を特にしていなかったけど、

ついに大きな病院で卵管造影検査を受けました。

 

tsuzuriya.hatenablog.jp

 

ちなみに、うちはフーナーテストをかっとばしてます。

お医者さんが「あのテストは負担の割に信ぴょう性が高いと思えない」

という考えで、

「それでもやりたければもちろん可能ですよ」と。

私も「ではパスで!」と言い放っていたので笑。

 

不妊治療って、検査、検査ばっかりで時間とお金を使い、

結局「原因わかりませんでしたね」ってなることが多くないですか?

フーナーテストでどんな結果が出ても、

人工授精をすると決めたなら、もはや関係ないですもんね。

2016年3月 卵管造影検査でゴールデンタイム!の予定が……

 

話を戻して。

卵管造影検査ですが、なんと卵管には全く問題がありませんでした。

だからこそ、素直には喜べなかった~。

 

「卵管が問題で妊娠できてなかったのだとしたら、

この検査で通水すれば卵管がキレイになって、

2~3ヵ月の間、精子が通りやすい“ゴールデンタイム”に突入できる」と

病院の看護師さんから説明(雑談)を受けていました。

 

ところが、私の卵管は、

もともと常時それなりにゴールデンタイムだったんだってよ!

なのに妊娠できていない……why!!!

 

この結果を持って、元の病院に戻りました。

卵管が原因でなかったのは良かったものの、

やはりお医者さんも首をひねるばかり。

 

とはいえ、せっかくなので今期も人工授精を行うことにしました。

看護師さんも「卵管の状態は良いはずだからね」と励ましてくれました。

 

この時の結果は……やっぱり撃沈。

 

先生「加藤レディスクリニックを紹介します」

 

6回も失敗すると、「人工授精ではもうダメなんだろうな」と痛感。

(常時ゴールデンタイムではあったけど)それでもダメだったわけで、

先生に「これはもう、ステップアップを検討した方がいい段階でしょうか」

と聞いてみました。

本当は言いたくなかった。

だってこれ、1年半も親身に取り組んでくれた先生との決別宣言です。

 

先生は、どこか寂しそうな表情で、

「そうですね、頑張ったと思いますが、人工授精も6回していますからね。

5~6回前後で結果が出なければ次に行く人が多いです」と消沈。

しんみりムードが漂い、私は

「でも先生、私、できればここで妊娠したかったです」

と、つい言葉に出しました。ちょっと泣きそう。

 

先生は前を向き、

「いいえ、時間が過ぎていくのが問題です。

幸い、つづりやさんはまだ若い方。

『加藤レディスクリニック』をご紹介します。紹介状を書きますよ」

と、丁寧に書類を作ってくれました。

 

さて、この時まで、私は「加藤レディスクリニック」が

どれほどの病院か知りませんでした。

紹介された理由も、「家からそれなりに近いからだろう」と。

 

ところがこの「加藤レディスクリニック」、

よくよく調べたら、不妊治療に関してとんでもない実績を持っていた。

この病院が、自転車でも行ける距離にあったということ。

今思えば、すごく幸運だったと思う。

【領収書公開】卵管造影検査の思わぬ伏兵、そして費用

 

2017年3月某日、JR東京総合病院に来たよ

5回の人工授精が不発に終わってしまい、

その原因を探るべく、我々調査団は南米奥深くのアマゾンへと飛

 

んでないです(知ってるわ)。

さて、新宿界隈で名高い大病院・「JR東京総合病院」にやってきました。

チャリで。

 

私は普段、必死でプラス思考ぶっているけど、

根はかなりのマイナス思考なので、

考えすぎるのをコントロールできず、夜眠れなくなることもしばしば。

卵管造影検査についても

「すごく痛い」という口コミを見て前日夜から冷や汗が止まらない。

お尻の注射も痛いし、人工授精も痛いし、

不妊治療って痛いことばっかりだよなあ。

 

ところが、卵管造影検査、予想もしなかった所で、

まったく違う痛みを味わうことになる。

”序章”のバルーンが痛すぎる

細かい検査方法は素人だしよく覚えてないのですが、

病院の2階か3階にあった(と思う)内診台のある部屋で、

バルーンと呼ばれる器具を入れて子宮口を拡張させた後、

バルーンを股に挟んだままの状態で、

地下にあるレントゲン室に徒歩で向かうという流れ。

 

最先端風のキレイな内診台に座り、

ぐわーんと股を開かれ、バルーンを挿入……なんだけど、

 

「いたた、いたたったたたたーーーー!!!」

 

うそでしょ、今まで味わったことのないほどの痛み。

いや、そういえば一度、いつものクリニックに行った時、

何かの検査で同じ痛みを味わったことがある。

あ~、そういえば、あれも確かバルーンだった……。

 

思い起こせば、人工授精でも毎回、これより軽いとはいえ、

同じような種類の痛みを感じている。

たぶん、私の子宮口、普通の人よりだいぶ狭いんじゃない……??

 

それをバルーンで無理やりこじ開けるわけだから、

もう本当に、立ってられないほどの痛み。

 

ここから、これを股に入れたまま、

徒歩で地下のレントゲン室に行く……だと!?

 

無理ゲーにもほどがある!!

 

「痛い、いたい、ヒイイイ」

 

先生「大丈夫ですか!!」

 

受け持ってくれていた若い男性医師もびっくり。オロオロ。

たぶんこんなに痛がる患者、あんまりいないんじゃないかな。

 

(痛がる患者なんてウザいよね、すみません、すみません!)

 

と内心、平身低頭のわたくし。

でもね、そのお医者さん、すごく優しかったんです。

レントゲン室まで「ゆっくりで大丈夫ですから!」と肩を貸し、

急かすこともなく、一歩一歩、私のペースで進ませてくれたんです。

男性のお医者さんだったんだけど、だからこそ逆に

すごく心配してくれたのかもしれないね。

大病院のお医者さんってすごく忙しいだろうし、

もっと冷たいかと思っていたよ。

先生本当にありがとう、ありがとうございます!

 

でもこれ、まだ序章だから。

本番の卵管造影検査、これからだから。

いよいよ本番。いざ卵管造影検査

 レントゲン室にやっとの思いで到着して、台に寝かされたわたくし。

もう「うっ、うっ、痛え……」てうめくのがやっとで、

何をされているのかもわからない。

 

バルーンでこんなに痛いんだから、

卵管造影検査なんて気絶しちゃうかもしれない。

正直、目の前が真っ暗に。

ところが。

「つづりやさん、つづりやさん、もう卵管造影検査始まってますよ!」

 

え??

 

いつの間にか卵管造影検査の薬剤が注入されているではないか。

 

「ほんとですか?全然痛くありません……」

「はい、詰まってませんよ、キレイな卵管です!」

 

レントゲンにはスムーズに薬剤が流れていく様子がくっきりと。

 

「あっ、え、へー!」

 

その瞬間だけ、バルーンの痛みがふっとんだ。

へー、卵管はキレイなのか、良かったー!

なんと”アレ”で払えました。意外な?検査費用

レントゲンを使うような特殊な検査だったから、

さぞや高いんだろうなーって思っていたけど、

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初診と検査で合計5.330円なり

 

意外と安いな!?

 

そして「JR」ならではの……

 f:id:tsuzuriya:20190928203816j:image

 

なんと、Suicaで支払えました笑。

 

不妊の理由は?あっという間に2年すぎた

 

2回目以降の人工授精の結果

 8月は旅行で4日ほど不在にしてしまい、

タイミングが合わずに人工授精は断念。

 

先生からは「焦りはあるかもしれないけど、

ずっと頑張ってるから、時々おやすみするのもいいですよ」

と前向きなコメントをいただいた。

 

しかし、ここから長かった。

 

9月、再び人工授精月間スタート。 

【2016年9月】

4日 生理スタート

9日 投薬スタート(5日間)

14日 診察

17日 人工授精

============

【2016年10月】

3日 生理スタート

7日 投薬スタート(5日間)

14日 注射

21日 注射

22日 人工授精

============

11月、12月、2月もほぼ同様のため、略(1月は休み)

============

妊娠できない……原因は何なの? 

 最初の人工授精から、本当にあっという間に半年が過ぎちゃった。

妊活の扉を叩いたのは31歳の時だったけど、

そこから2度誕生日を迎え、私は33歳になっていました。

 

人工授精はかれこれ5回終了。

ここまで結果が出ないと、さすがに何か原因があるんじゃ……と思うけど、

先生は「薬で改善されている」と言って、

多嚢胞性卵巣問題とプロラクチンの値の影響を否定しました。

 

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さすがにもう過度な期待はしなくなっていて、

人工受精も「ま、これで妊娠できればラッキーなのかな」くらいの感覚に。

じゃないと、期待しては裏切られるのがつらい。

生理を迎えるたびに自分の気持ちを取り繕ってきたけど、

さすがに「アハハッ」と薄ら笑いを浮かべはじめていました。

こんなに妊娠できないのに、

身体はいつか妊娠する日に備えてこうして生理を迎え、

毎回生理痛に悩まされている。

ハッ、世知辛い。

 

3月、6回目の人工授精を前に卵管造影検査へ

 

結局、私が通っていたクリニックでは原因はわかりませんでした。

夫の精子の運動率がイマイチという点が毎回、若干懸念されていましたが、

基準を大きく外れるほどのマイナスポイントではないそう。

 

なので、原因をより詳しく調べるために、

改めて外部の大きな病院に行って、

卵管造影検査というのを受けることになりました。

 

先生から紹介されたのは、南新宿にある「JR総合東京病院」。

www.jreast.co.jp

中に入った瞬間、「ドラマに出てくる大病院みてえだな……」という

重厚な雰囲気に圧倒されたわたくし。

まず初診を受けて、後日改めて卵管造影検査を受けることになりました。

 

卵管造影検査って痛いらしいじゃん……?

めっちゃ不安。

でもさ、ここまで原因がわからないと、

もう霧の中を進んでいるようなもので、全く手応えがなくて。

卵管が詰まってるとか、原因がはっきりしたら

前に進める気がするじゃない?

 

だからさ、私、がんばるよ。がんばるぞ、おー!!

 

自宅で何度も検査しちゃう気持ち

「妊娠反応」と思いたい気持ちが強すぎ問題

前回の記事で触れましたが、人工授精、痛かった~。

 

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あれほど痛かったんだから、どうか報われてほしい……。

 

そんな、初めての人工授精から約2週間。

次の月の頭、生理前のおなかのハリのようなものを感じるではありませんか。

 

「これは、噂に聞く妊娠反応なのでは~!?」

 

客観的に見たら「いやいや、冷静になりたまえ」とツッコミを入れたいところですけど、

一日千秋の思いで結果を待ち続けてるもので、

ドキドキと検査してしまいました。

 

完全なる陰性でした。そりゃそうだろ。

 

いや、ホント…

「もしかしたら」という思いが先走りすぎて、使っちゃったんだよ……。

そもそもね、あれ、生理予定日を過ぎないと反応出ないからね?

 

続きまして…

なんと、前回から約35日目、トイレで少量の赤い血を確認いたしました!

でも「あー、きちゃったね、ハイハイ」とはなりませんでした。

 

「これはもしや妊娠反応では!?」

 

いや普通に…。

信じたくない気持ちはわかるけども。

 

ネットで「着床したら少し血が出る場合がある」という、ほんとかよーっていう

よくわからない単語を見たせいなんだけどね。

そんなさ、ネット鵜呑みにしたらだめだなと思いつつも、

藁にもすがる思いなんだよね。

希望を捨てたくないんだよね。

期待と不安がいつもシーソーゲームよ。

 

そこから4日間、ふつーの、平常運転の痛みに襲われました。

血の量もいつも通り。

そのころにはさすがに「だめだなこれ」って諦めがついてました。

 

気持ちを切り替えるしかない

 

まあつまりダメだったんですけど、

「あーハイハイ、1回で上手くいくなんて思ってないさ」

と、さも最初から期待してなかったようなフリをして、

自己暗示で比較的穏やかな気持ちを演出。

 

夫はハナからそこまで期待してなかったみたいで、

夫婦ともども、意外と「次いこ、次」ってな感じ。

 

そうなんだよね、あまりにも通院が多いから、

「この流れに乗ってればいつか岸に着くであろう」

と大船にでも揺られているような妙な気持ちになってるんだよね。

果たして前進しているのか謎だし、

この船がタイタニック号でないことを祈るしかないけども。

 

会社を辞めて半年以上が過ぎ、フリーとして仕事を受けられるようになり、

多少は心にゆとりができたので、

嵐の日々というよりは、

比較的心安らかに過ごしていられた気がする

(無駄に検査薬使った奴の言うことか)。

 

2回目以降の人工授精の結果

 

8月は旅行で4日ほど不在にしてしまい、

タイミングが合わずに人工授精は断念。

 

先生からは「焦りはあるかもしれないけど、

ずっと頑張ってるから、時々おやすみするのもいいですよ」

と前向きなコメントをいただいた。

 

しかし、ここから長かった。

 

9月から再び人工授精スタート。

 

【2016年9月】

4日 生理スタート

9日 投薬スタート(5日間)

14日 診察

17日 人工授精

============

【2016年10月】

3日 生理スタート

7日 投薬スタート(5日間)

14日 注射

21日 注射

22日 人工授精

============

11月、12月、1月もほぼ同様のため、略

============

毎月毎月、ひたすらトイレでタメ息。

箸にも棒にも掛からぬとはこのこと。

えーん、これからどうなっちゃうの……?

人工授精1発目!その結果と費用は……

2016年7月 人工授精が痛すぎる 

朝に持参したピエールのおたまじゃくしどもは、

遠心分離機でギュッと濃縮されているとのこと。

先生が準備している間、わたしはいわゆるカーテンで仕切られた、

内診台と呼ばれる椅子にスタンバイです。

 

内診台に乗るの、やっぱ最初は恥ずかしかったけど、

あまりにも内診されるものだから、心がマヒして慣れっこになってしまったよね。

 

そしていよいよ、金属のような固い感触の棒が

ずりずりと中に押し込まれて行きます。が……

 

「いっっ……たあぁああ……!」

 

先生「ん??」

 

なんだこれ、すげー痛い。

中に固い物が入って行くっていう違和感もすごい。

思わず体をこわばらせてしまった……。

 

一方、先生の方もなにか違和感があるみたいで。

「普通はすんなり入るのに、おかしいな~」って心の声がだだもれだぜ。

とはいえ、丁寧にしてくれている様子は伝わってくる。

「大丈夫ですか、もう少しですよ」と声をかけてくれる。

 

いたい。イタイ。痛いけども。

 

ここまでどれだけ通院したと思ってるんだ。

ここでやめるわけにはいかないんだ。

耐えろ、耐えろ!

 

いてえ…

「いてえええええーーーーー!!!」

 

でも限界、もう声出ましたわ。

なんだろうこの痛みは。

体の奥に異物が入るのってこんなに痛いんだろうか。

外側から叩かれたり傷つけられたりするのとは全く違う種類の痛みだったよ?

 

先生は申し訳なさそうにゆっくりゆっくりと器具を入れつつ、

最後にぐいっと力を込めて、たぶん注射針のスポイトの原理で、

おたまじゃくしどもを注入。

 

終わった瞬間、ふーっと肩の力が抜けて、

自分が全身を硬直させていたことに気付く。

こんな風に緊張したら、入るものも入らなくて余計痛みを感じてしまうんだろうに、

理性が吹き飛びかけて、リラックスしようと努めることもできなかった。

 

お尻に注射打つのなんか全然序の口であったな……。

こんな苦痛に耐えたんだから、できれば報われてほしいよ。

 

でも残念ながら、今期の結果はNG。

次の月、普通に生理来ちゃいました。

 

しかもここから半年以上、この努力が報われることはありませんでした。 

人工授精に費やした通院日数と費用まとめ 

 

 【2016年7月 初めての人工授精】

通院の流れ 

3日 生理スタート

7日 投薬スタート(5日間)

13日 診察 1時間待ち

15日 注射 1時間半待ち

16日 注射 1時間待ち

19日 人工授精(1回目)待機時間含む約2時間

 

【人工授精そのものにかかった費用】

12.074円

ほか、内診のみや、注射代で8000円ほどかかってるはず。

(細かいところの領収書が残っておらず、今期は確認できませんでした。)

タイミング法を断念、人工授精へ

 

2016年1~6月 タイミング法をやってみたけど

 退職後も相変わらず通院、通院の日々で、

月に少なくとも4、5回は通院し、その度に毎回2~3時間は潰れてしまいました。

「まだ卵胞育ってなかったね、また来てね」

なんて言われることもザラだし、体のことだから予定も立てられないですしね、

会社員にとって、不妊治療のハードルは高いと思います。

フリーランスになっていてさえ、この通院頻度はうんざりします。

 (前回のブログでお伝えしましたが、毎日の出勤が不可能になってきたので、

いったん退職して、在宅で会社の案件に対応するという働き方に切り替えています)。

 

たぶん夫・ピエールは、

「つづりやは退職してまで、お尻に何回も注射を打ってまで

妊娠の準備を整えてくれている」

と、割と真剣に考えてくれたようで、

24時前に帰宅して、そのあと疲れた体に鞭打って、

どうにかタイミングを取ってくれていました。

 

次の日、朝6時半起きなのに、頭が下がるぜ……。

 

本当は2日間タイミング取らなくちゃいけないけど、

それが到底、体力的に無理で、1回しかできないけど、

だとしても、十分努力してくれたと思いますほんと。

 

でもそんな生活は無理があるなと、お互いうすうす気づき始めていました。

その時、ともに32歳。まだそんなに焦る年じゃないけど、

この調子でダラダラと月日が過ぎていくのは、

ただ時間と体力を消耗するだけなんじゃないか。

 

気付いた。社畜には時間も体力もない

 頭のどこかで「自然にできたらいいな」とふんわり思っていたけど、

もうそんな甘っちょろいことを言っている場合じゃない。

お互い大変だし、さっさと勝負を決めようではないか。

 

命にかかわることなのでこんな風に思うのはアレですけど、

悠長に構えていたら、いつか生活が破たんしてしまうかもしれない。

 

半年間(できない時もあったけど)のタイミング法で結果が出なかったので、

いよいよ科学の力に本気出してもらうことにしました。

人工授精にステップアップだ!

 

2016年7月 人工授精に問題発覚「精子の運動率が悪い」

さ~人工授精するぞってなわけで、

卵胞の成熟具合を診察で見てみて、

ここぞのタイミングで夫の精子を当日の朝に容器に採取します。

先生から「精子は体温をキープしてあげなくちゃいけないので、

胸の間に挟んで持ってきてください。数時間なら大丈夫ですから」と説明があり、

朝7時くらいに採取したものを、病院の開院時間・9時半まで、

胸に挟んでそれはそれはもう大事にあっため続けます。

その間、我、あまり動けず

 

胸に容器を挟みながら、思った。

「おたまじゃくしども、1匹でも多く生き残ってくれよ」

卵を孵化させるニワトリってこんな気持ちなんだろうか。

 

「私、いま、胸に精子挟んでます」

なんてことは顔に出さないようにして、

9時の開院に合わせて病院にそーっと精子を運ぶと、

先生がそれを受け取り、顕微鏡で何やら様子を見ます。

すると先生、なんだか難しい顔をしているではないか。

「うーん、人並みから大きく外れているわけじゃないけど、

やや数が少ないね。あと運動率が悪い」

 

運 動 率 が 悪 い

 

ピエールよ、あんた運動神経が悪いだけじゃなかったのか~。

 

「ちょっと長めに遠心分離機にかけて濃度を上げます。1時間くらいかかるかな」

 

うおお、また時間がかかるのか……つくづく時間泥棒だな、不妊治療ってやつは。

 

1時間後、ようやく人口受精の準備が整った。

あとはこれを私に入れるだけ。頼むぞ、科学の力! 

不妊治療と会社の両立無理でした

 

「ストレスのもと」基礎体温測定にサヨナラ

 

毎朝、毎朝、基礎体温をがんばってつけていたのですが、

いわゆる理想的な曲線には全然ならないので、

「これ意味あるのかな~」とストレスのもとになっていたわたくし。

お医者さんに

基礎体温をつけてもガタガタになって、なんの役に立つのかわかりません」

と正直に言ったところ、

「いいですよ、つけなくて。ストレスになるほうが良くない」

と気持ちよく言っていただき、

キッパリやめました、基礎体温測定。

いいのだ、どうせ内診で卵胞の大きさ測るしさ。

2016年8月 タイミング指導スタート 

 

 会社に何度も遅刻しては、半休を消化される日々。

残業してるから8時間以上働いてるのにな~。

でも周りの不審な目もありつつ、肩身の狭い思いをしながら、何とか通院。

卵胞の大きさ測って、お尻に注射何本も打って、

「ここぞ!」というタイミングを測ります。

しかし、夫・ピエールは朝8時から夜24時近くまでいないので、

なかなか「この日に夫婦生活を」と言われてもタイミングが取れない……。

そんなに働いている奴に無理をさせるのも申し訳ない……。

しかも「タイミングは2回とってください」と言われてしまい。

いやー、3日間のうちに2回は難しいです!

 

診断の結果を受けて、ピエールには一応「きょうらしいです」とLINE。

ピエールは私が週に何度も通院したり、

そのたびにお尻に注射を打ったりしているのを見て、

いつも「大変そうだな~」って思ってたみたい。

「せっかく迎えたチャンスを無下にするのは悪いな~」と思ったみたいで、

なんとか毎月、がんばってくれました。

とはいえ、社畜同士なのに、3日間で2回はやっぱり無理なんだよね……。

月に1回が限界でした。

 

まだ不妊治療の超入口なのに、

私も通院回数の多さにげんなり気味。

さすがに会社での周りの目も気になってきたところ。

 

2015年12月退職決意

 

この間、異動があり、前回紹介した「既婚者を目の敵にする婚活中女上司」から離れることになったのですが、

新しい仕事が始まったのに相変わらず通院の日々で、

半休がどんどん勝手に消化されてしまう状況に限界を感じはじめ、

気まずさから、半年後、やむなく退職を決意しました

(お尻に注射打ってから出社する自分は面白かったけど)。

妊活で遅刻していたとは恥ずかしさもあって最後まで言えず、

退職の理由は「病気の治癒のため」ということで。

 

とはいえ、業種的に在宅でも可能な仕事がたくさんあったので、

当時の会社から仕事を請け負うことに。

完全に退職したというよりは、

出社をやめる代わりに出来高制で給料が払われるスタイルに転身したという感じ。

これはたまたま私の業種で可能なことであって、

なかなかこうはいかないものですよね。

 

正社員で普通に妊娠できる人は、

前世でどんな徳を積んでるんだ。

そして正社員で妊活やってるみなさん、

本当に頑張ってるよ、すごいよ!

「いつかその努力が実りますように」と心から願ってる。